独キュアバックはメッセンジャーRNA(mRNA)医薬品・ワクチンを自動生産するシステム「RNAプリンター」の普及に向け、システム開発や技術サービスなどを担う子会社「キュアバックRNAプリンター」を設立したと発表した。同社は米テスラなどと提携してmRNAの自動生産技術を開発し、mRNA原薬からLNP製剤化まで自動化できる装置を完成させた。

 RNAプリンターは、鋳型DNAからmRNAへの転写反応、精製、脂質ナノ粒子(LNP)への封入といったmRNAワクチン・医薬品の製造プロセスを自動化したシステム。従来のような大きな装置を使わない小型製造システムで、移動しやすく、スケールアップ・ダウンも調整しやすい。パンデミック(世界的大流行)発生時の迅速なワクチン供給や、がん治療などの個別化医療に有用とみている。

 自動車工場の自動化技術を持つ米テスラの子会社と共同開発し、新型コロナウイルスの流行前から取り組んできた。2019年にはワクチン開発を促進する国際的な官民連携組織「感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)」の資金援助も獲得している。このほど試作機によるバリデーションが完了し、GMP認証の取得に向けた準備に入った。まず自社の治験薬製造などに活用するが、社外にも普及させるためRNAプリンターに特化した子会社を立ち上げた。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

セミナーイベント情報はこちら

ライフイノベーションの最新記事もっと見る