クラボウは29日、抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術「クレンゼ」で加工した繊維素材で、新型コロナウイルス変異株「アルファ株」「デルタ株」に対する抗ウイルス効果を確認したと発表した。クレンゼはマスクやタオルなど、幅広い分野で実績がある。とくにデルタ株は目下、感染が急拡大しており、効果を明確にすることで、顧客の安心、安全につなげたい考えだ。

 クレンゼは第4級アンモニウム塩系の固定化抗菌成分を繊維表面に強力に固定化する同社の独自技術。細菌やウイルスの外膜に変化を生じさせ増殖を抑制する。日本繊維製品品質技術センターで「JIS L 1922 繊維製品の抗ウイルス性試験方法」に準用した試験を実施。昨年9月には従来の新型コロナウイルスへの効果を確認したと発表している。

 今回アルファ株、デルタ株でも同試験を実施した。綿100%のマスク用素材の織物にウイルスを一定時間接触。繊維表面から回収したウイルスの感染価を測定した結果、99%以上のウイルス減少率を確認した。家庭洗濯50回後でも同等だった。

 使用薬剤は皮膚刺激性試験などでも高い安全性を確認している。クレンゼは、マスクなどに加え、ユニフォームやカーテン、カーペットなど、これまで抗ウイルス効果があまり求められてこなかった用途での引き合いも強まっているという。

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