新型コロナウイルスの影響で消毒液や除菌スプレーなどが入手しにくいなか、ユニークな発想で商機をつかんだ企業がある。デジタル機器や生活雑貨などを扱うクリア電子(東京都新宿区)は、調味料入れを容器に用いた除菌抗菌液を3月から小売店などで販売。同社として衛生用品市場へは初参入ながら、上市1カ月で9万本を販売した。

 除菌抗菌液「クリアンスEX」(容量45ミリリットル、価格は税別500円)は、グレープフルーツ種子(GSE)と精製水が成分。製造は群馬県の化学メーカーが担う。ボトルは入手しやすい調味料入れを選んだ。企画から販売までの期間は1カ月だった。クリア電子によると当初は2万本供給する予定だったが、コロナ禍で想定以上の需要があったことから生産を継続。今月も供給を増やす考えだ。

 GSEは食品添加物製剤で、さまざなウイルスやバクテリアやカビに効果を発揮するとされる。ノンアルコールの除菌抗菌の有効成分として多くの衛生用品にも使われている。

 今回、北里大学の臨床微生物学研究室で実証試験をしたところ、ウイルス(薬機法上詳細は非公表)に対する不活性化率は30秒後、3時間後とも99%以上を示したという。

 クリア電子は今後、大人数用の除菌抗菌液の販売や小売り以外の販売先も増やしたい考え。

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