ファイザー日本法人は18日、独ビオンテックと共同開発した新型コロナウイルスワクチン「BNT162b2」について、製造販売承認を厚生労働省に申請したと発表した。日本で承認申請された最初のコロナワクチン。米国などでは既に接種が始まっている。緊急時の「特例承認」制度が適用されれば、審査手続きを大幅に簡略化して迅速審査され、早期承認も期待される。

 非臨床試験などの早期段階のデータと、すでに結果が判明している海外の臨床試験データを根拠にして承認申請した。国内の臨床試験も10月から行っているが、医薬品医療機器総合機構(PMDA)と協議の結果、まずは海外データで申請にいたった。米国などで行った第3相臨床試験では約4万4000人を登録し、有効率95%と高い予防効果を確認している。国内試験の主要データは来年2月に出る予定で、まとまり次第、当局に提出する。日本人160人を登録し、2回目の接種が完了している。

 ファイザーによると、海外で承認されている医薬品などで、緊急時であれば承認審査を大幅に短縮できる「特例承認」の適用も申請した。適用されれば、超早期の承認取得も可能になる。5月7日に特例承認された新型コロナ治療薬「レムデシビル」は、申請から3日で承認された。

 田村憲久厚生労働相は同日の記者会見で、「申請データを見た上で判断する。最優先の課題なので、最優先で審査したい」と話した。承認された場合、来年6月までに1億2000万回分を日本へ供給することで基本合意している。

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