厚生労働大臣の諮問機関である厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会は17日、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種(ブースター接種)を実施する方針を了承した。2回目からの接種間隔や対象者、使用するワクチンなどについては引き続き検討する。また、1回目と2回目で異なるメーカーのワクチンを接種する「交互接種」については、1回目で重篤な副反応を経験した場合などに限定して認める。

 ブースター接種自体の必要性については、外部専門家の各委員ともおおむね合意した。だが追加接種による安全性や有効性のデータが限られることや海外でも賛否があること、国内でも未接種者がまだ多いことなどから、開始時期や接種間隔、対象者などは引き続き検討することになった。厚労省は事務局案として、2回目接種の8カ月後以降に3回目接種を行い、原則として1、2回目と同じワクチンを用いることを提案していた。

 交互接種も条件付きで認める。1回目で重い副反応が出たため医師が必要と判断した場合や、ワクチンの流通量減少や転居により同じワクチンを使用するのが難しくなった場合に限定する。接種間隔は27日以上。対象はファイザー、モデルナ、アストラゼネカ製の3種類のみで、今後承認される新規ワクチンの扱いは改めて検討する。

 また、既感染者でも回復後に2回接種が必要との方針で、治療時に中和抗体薬を投与する治療を受けた場合でも接種可能とする。季節性インフルエンザなど他のワクチンとの同時接種については、現行の原則13日間以上空ける方針を維持する。

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