厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会は15日、きょう17日から始まる新型コロナウイルスワクチンの予防接種に向けて、必要な政省令の改正案について了承した。厚労省が発令に向けた事務手続きを進める。接種開始から約1年間は、予防接種法で定める「臨時接種」として実施する。原則として妊婦以外の16歳以上に接種の「努力義務」を適用し、感染歴がある人も接種対象とする。

 国内初のコロナワクチンとして、ファイザー日本法人の「コミナティ」が14日付で特例承認された。感染拡大を阻止するため緊急的に行う「臨時接種」として、コミナティによる接種が全国で実施される。対象期間は来年2月末までの約1年間。

 予防接種法上で定める接種の「努力義務」は、原則として16歳以上の接種対象者に適用する。感染歴がある人も接種対象とし、事前の感染検査は行わない。ただし妊婦は、海外でも治験データが限られていることなどから努力義務から除外する。

 通常は接種後15分以上の経過観察を行うが、アナフィラキシーなど重いアレルギー症状の既往歴がある場合は30分行う。過去に採血などで気分が悪くなったり、失神などを起こした人も30分かける。ほかの定期接種ワクチンと同様、接種後4時間以内に発生したアナフィラキシーを副反応疑いの報告対象とする。

 米国のデータでは、コミナティ接種者から報告されたアナフィラキシーの頻度は100万回当たり約5例(1月18日時点)。74%が接種後15分以内、90%が接種後30分以内に発生し、80%はアレルギーの既往があった。

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