日本プラスチック工業連盟は、新型コロナウイルス感染症の拡大への対策としての使用が急拡大するプラスチック製仕切り板、仕切り幕に対し、火気周辺での取り扱いに注意を喚起している。飛沫感染を防ぐために、店舗、オフィスなどさまざまなシーンでプラスチック製のシートや板などが活躍しているが、4月には大阪府のショッピングセンターで商品のライターの火がレジカウンターのシートに燃え移るという事故も発生した。「ウィズ・コロナ」時代を乗り切るため、プラ工連は樹脂ごとの特性を1枚のシートにまとめ、分かりやすく伝えることで安心・安全な使用方法を促す。

 新型コロナウイルスの感染拡大の原因となる飛沫を防ぐため、コンビニエンスストアやスーパーマーケットをはじめとした各種店舗や、タクシーの車内などでプラスチックシートの使用が広がっている。オフィスなどでも仕切り板を置くケースも増えている。飲食店では同一グループのなかに仕切り板を置いて互いの飛沫が飛ぶのを防ぐ提案もなされている。こうした用途にプラスチックが使われるのは、比較的安価で軽量なため手軽に設置でき、しかも透明なことから視認性をさほどさまたげないため。プラスチックならではの機能が生かされているといえる。

 一方、プラスチックの課題は燃えやすさ。そのためプラ工連は、これらの用途に多く使われるアクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、可塑化塩化ビニル樹脂(PVC-P、軟質塩ビ)の防炎タイプおよび一般タイプについて、「火気周辺での使用に際し注意すべきこと」および常用耐熱温度をまとめてウェブページに公開した。ただ、これらのプラスチック製品が防火対象物として消防法の適用対象になるかどうかは統一見解がないもよう。使用するプラスチック製品の使い方が防火安全上適正かについては必ず最寄りの消防署に相談するよう求めている。

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