米イーライリリーと米インサイトは、JAK1/2阻害剤「バリシチニブ」を用いた新型コロナウイルス感染症に対する臨床試験で、主要評価項目を達成したと発表した。米ギリアド・サイエンシズの新型コロナ治療薬「レムデシビル」に上乗せ投与すると、入院期間を1日短くできる傾向が認められた。リリーはこの試験結果を基に、米国の緊急使用許可(EUA)などを申請する方針。日本も試験に参加した。

 米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が行った医師主導治験(ACTT-2)の速報結果。酸素吸入や入院が必要な重症例約1000例を登録し、欧米や日本などで行った。バリシチニブとレムデシビルを併用投与し、レムデシビル単剤と比較。主要評価項目は退院までの日数で、バリシチニブ群はレムデシビル単剤より約1日短く、統計学的な有意差があると評価した。

 リリーは米国食品医薬品局(FDA)など各国の薬事当局と協議を始め、入院患者に対する治療薬としてのEUAなどを申請する。

 バリシチニブは新型コロナを重症化させる免疫暴走を抑制し、ウイルス増殖を抑える効果も期待されている。同剤の単剤の投与での臨床試験も実施中で、日本も参加している。

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