タイでバイオ医薬品を手がけるサイアム・バイオサイエンスは、新型コロナウイルス用検査キットの生産を開始した。同国初のメーカーとなる。まず4月に10万検体分、今後6カ月間で100万検体分の出荷を目指す。国産化で検査体制の整備に貢献する。

 タイ保健省医療科学局と検査キットを開発した。高等教育・科学・研究・イノベーション省が資金援助し、ノンタブリ県の本社工場に生産体制を構築。製品はすべて首相府に納入している。

 開発した検査キットはリアルタイムPCR法で「通常4時間程度を要する検査時間を約半分に短縮できる」(同社広報)という。

 タイはこれまで新型コロナ検査キットを主に輸入に依存していた。しかし世界的な感染拡大で十分な量を確保できなかったため、医療科学局がサイアム・バイオサイエンスと共同で国産化に向け製品開発に乗り出していた。「内需以上の供給力が整えば輸出も始める」(同)予定。(岩﨑淳一)

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