デンカは14日、新型コロナウイルスなどの検査薬を増強すると発表した。五泉事業所鏡田工場(新潟県)に製造新棟を建設し、2024年度下期に完成させる予定。コロナ向けを中心に国内外で検査需要が拡大していることに対応する。投資額は約110億円を見込み、経済産業省によるサプライチェーン強靱化に向けた補助金制度の活用を予定する。

 デンカのコロナ抗原検査キットの生産能力は現在、1日に13万検査分で、新棟が立ち上がることで、約2・5倍に増やせる。コロナ以外にもインフルエンザウイルスやRSウイルスなどの抗原検査キットを需要にあわせて生産する。免疫血清検査試薬や臨床化学検査薬などの生産能力は約2倍に増強する。

 製造新棟は地上4階建てで、延べ床面積は1万6600平方メートル。自動化倉庫や無人搬送車両、製造工程を可視化する情報システムなどを導入し、業務や生産、物流プロセスのデジタル化を進める。検査試薬の需要は国内外で拡大しており、コスト競争力を高めて成長につなげる。

 投資の一部は経産省によるサプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金の活用を見込み、今後、申請する予定。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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