デンカは5日、今井俊夫取締役専務執行役員が4月1日付で社長に就任する人事を発表した。山本学社長は代表取締役会長に、吉高紳介会長は特別顧問に就く。

 同日のウェブ会見で、山本社長は5カ年中期経営計画の前半3年が経過し「成長基盤ができ、将来の方向性も見えた。環境の変化は激しく、当社も優秀な人材に引き継ぎ、高速で経営する」と語った。社長就任時から後任候補として念頭にあったという今井氏を「海外経験が豊富で柔軟に意志決定できる」と評した。

 今井氏は中計方針の事業のスペシャリティ化について、コロナ禍にあって4~12月期に出した最高益を例に「正しさを証明した」と強調。後半2年はライフや電材を継続して拡大させる一方、「営業利益率15%未満の事業は撤退や協業を検討する。具体的な話も始めた」と、基盤、コモディティー製品の再編局面に入ったと示唆。同社は2050年にカーボンニュートラルを目指しており、再編は「サプライチェーンのCO2排出量も考慮する」(山本社長)という。

 〔今井俊夫氏=いまい・としお〕1982年(昭和57年)早稲田大学政治経済学部卒、同年電気化学工業(現デンカ)入社。06年スチレン事業部長、11年経営企画室長、13年執行役員、17年常務執行役員、19年取締役常務執行役員、20年取締役専務執行役員。神奈川県出身、62歳。

会見する今井次期社長(左)と山本社長

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