デンカは8日、新型コロナウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ-COVID19 Ag」を一部自主回収すると発表した。キットに使用されているメンブレンの部材不良により、時間経過とともに偽陽性となってしまう可能性があったため。現在までに健康被害の報告はなく、使用しても重篤な健康被害は発生しないとしている。対象製品は、アップデートした製品への交換対応を行う。業績への影響は限定的だとする。

 自主回収の対象製品は、今年12月使用期限製品のうち、2020年12月14~25日までに出荷されたデンカの7万8000箱と、販売提携先である大塚製薬の5万2000箱の計13万箱。このうち12万箱は、政府が買い取り、医療機関や介護施設に配布している。10月ごろから使用施設からのクレームが多発し、調査の結果、問題が発覚した。厚生労働省との協議の結果、自主回収にいたった。現在、ドラッグストアなどで流通している製品はアップデート版で、対象の部材不良は解消ずみ。

 同社はインフルエンザ抗原検査などを展開しており、抗原検査キット全体で国内トップシェア。新型コロナウイルスの抗原検査キットについても輸入品を含め国内トップシェアだとしている。

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