米ファイザーは、開発中の新型コロナウイルス感染症治療薬「パクスロビド」の臨床試験で高い有効性を確認したと発表した。基礎疾患など重症化リスクが高い軽症~中等症患者の重症化リスクを9割近く低下させた。リスクが低い患者も入院リスクが7割低下した。「これまで報告されているコロナ治療薬のなかで最大のウイルス量減少」(同社)も確認した。

 感染確認から3日以内に投与を始めた場合は重症化リスクを89%、同5日以内の場合は88%低下させた。リスクが低い患者も含めた別の治験では入院リスクが70%減少し、死亡例はなかった。両治験とも投与5日後にはウイルス量がプラセボ群の10分の1程度に減少した。オミクロン株を含む主な変異株にも有効な可能性も確認した。

 パクスロビドは、コロナウイルスの増殖にかかわる酵素を阻害する新規化合物「ニルマトレビル」と、既存の抗ウイルス剤「リトナビル」を併用投与する治療法。米国で緊急使用許可(EUA)を申請中で、日本も近く申請予定。

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