ファイザー日本法人は1日、承認申請中の新型コロナウイルス感染症治療薬「ニルマトレビル錠/リトナビル錠」(通称パクスロビド)について日本へ200万人分供給することで政府と最終合意したと発表した。政府は今月中の供給開始を目指しており、上旬にも特例承認する見込み。コロナ軽症患者も服用しやすい2つ目の飲み薬になる。

 昨年12月に基本合意して協議した結果、今年中に200万人分供給することで最終合意した。ファイザーはパクスロビドを承認申請中。政府は今月の早い段階で実用化したい考えを示しており、近く特例承認される可能性が高い。承認後はまず4万人分を供給する予定。契約金額などの経済条件は非開示。

 昨年末に特例承認された米メルクの飲み薬「モルヌピラビル」(製品名ラゲブリオ)は、契約金約12億ドル(約1380億円)で160万人分の供給契約を結んでいる。

 パクスロビドは、コロナウイルスの増殖にかかわる酵素を阻害する化合物「ニルマトレビル」と、同剤の血中濃度を維持するために投与する抗ウイルス剤「リトナビル」低用量を同時に服用する飲み薬。まず重症化リスクが高い外来患者を対象に承認の見込み。臨床試験では入院・死亡リスクを9割近く低下させる結果を得た。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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