米ファイザーと独ビオンテックは、新型コロナウイルスワクチンを追加接種するブースター(追加免疫)ワクチンを開発する。すでに実用化しているワクチン「コミナティ」の3回目接種を行う方法を来月にも申請する。また、各国の感染再拡大の要因とされるインド由来の変異株「デルタ株」に特化した修正ワクチンも開発し、来月に臨床試験を開始する。

 両社はコミナティの2回目接種から6カ月後に3回目を接種する方法で、追加免疫の有効性などを検証する臨床試験を実施。従来株や南アフリカ由来の変異株「ベータ株」に対する中和抗体価が2回接種後より5~10倍増えるデータを得た。結果を来月までに各国・地域の当局へ提出し、追加免疫ワクチンの緊急使用許可などを求める。

 とくに感染力が高いとされるデルタ株にも対応する。デルタ株の完全なスパイクたんぱく質を抗原にした修正ワクチンを開発し、来月中に臨床試験を始める予定。

 両社は先ごろイスラエル保健省が発表した有効率データにも言及。同省によると同国でのコミナティの感染、発症予防効果は6月時点で64%に低下した。感染者の多くは接種から半年が経過し、ワクチンの効果が低下した可能性があり、追加免疫の必要性があると主張している。

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