米モデルナは東京都に日本法人を設立した。アジア地域では初の自社拠点。豪州などで新型コロナウイルスワクチンの現地生産も検討しており、アジア太平洋地域への進出を進めていく。同ワクチンは今週中にも日本で承認される見通しで、国内に自社拠点を構え、コロナワクチンの対応やほかの製品開発を強化する。

 今月初めまでに日本の自社拠点を都内に開設した。所在地や代表者などは明らかにしていない。同社ウェブサイトによると、日本法人社長や日本の臨床開発、薬事、安全性情報などの人材を募集している。欧米では計8カ所の営業拠点があるが、アジア地域では日本が初。今年はアジア太平洋地域への進出を進めていく計画だ。コロナワクチンの現地生産について豪州政府と協議を始めたほか、医薬品開発製造受託(CDMO)大手の韓国サムスンバイオロジクスも製造受託を協議していることを認めた。

 モデルナのコロナワクチンは、21日にも日本で特例承認され、24日から接種が始まる東京、大阪の大規模接種センターで使われる予定。日本では6月までに4000万回、7~9月期に1000万回供給する契約を結んでいる。また、年明け以降に5000万回分を追加する方向で協議中だ。日本向けの供給は欧州で製造し、スイス・ロンザなどが担っている。

 日本法人設立で、コロナワクチン以外の製品導入も進めるとみられる。同社はメッセンジャーRNA(mRNA)技術を応用したワクチンや医薬品を開発中。サイトメガロウイルス(CMV)感染症の予防ワクチンが、年内に承認申請用の臨床試験を始める予定。

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