米モデルナは25日、12~17歳を対象に行った新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(治験)で、成人と同様に高い予防効果を確認したと発表した。2回の接種完了後に報告された発症例はゼロだった。同社のコロナワクチンは現在、18歳以上を対象に各国・地域で承認されているが、12歳以上に引き下げる手続きを6月からスタートする予定。

 米国で12~17歳を3700人以上登録して行った治験で、成人の治験と同等の免疫反応を確認した。2回目接種から2週間後以降に報告された発症者はワクチン群ゼロ、プラセボ群4例で、発症予防効果を示す有効率100%となった。より軽度の症例も含めた初回接種後の有効率は93%だった。この結果を基に、対象年齢を拡大する申請手続きを来月から始める。現在の承認は18歳以上だが、12~17歳を追加する。日本では武田薬品工業がモデルナ製の国内開発権を保有しているが、年齢拡大の手続きも担うかは非開示。

 若年層の適応拡大は、米ファイザー製も各国・地域で承認され始めている。対象年齢を16歳以上から12歳以上に引き下げる。日本でも今月7日に申請しており、添付文書を改訂するかたちで変更する予定。近く開催される厚生科学審議会でコロナワクチンの臨時接種対象になれば、公費による接種が可能になる。

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