三洋化成は「変える。」をスローガンに働き方改革や既存製品・事業の高付加価値化、新規事業の創出など、あらゆる面で変革に挑んでいる。新型コロナウイルス感染症の影響は懸念されるが、針路に間違いはなく、取り組みを加速させる出来事になった。同感染症が広がるなかでの事業活動や、化学産業の使命などについて安藤孝夫社長に聞いた。

◆…いかにして事業活動を継続していますか。

 「2020年2月18日に対策本部を立ち上げ、持続可能な対応策を打ち出した。当時、世間では2~3週間の対応が重要といわれていたが、私はどんどん悪化し4~5月にピークを迎えるといい続けてきた。対策本部を発足させると同時に、検温し37度Cを超えた場合は出社を禁じるなど感染防止の徹底に努めるとともに、感染者が発生した場合の対応策も定めた」

 「以前から在宅勤務制度や勤務時間を自主的に設定できるフレックスタイム制度を導入するなど働き方改革を推進しており、新型コロナウイルス感染症がまん延しているなか、こうした制度を活用しながら業務に励んでくれている。ただ、当社の社員は非常にまじめで、過剰反応していると感じることもある。新型コロナウイルスは早期に収束するとは考えておらず、そのために持続可能な対応策を講じたのだが、とらわれ過ぎて気疲れし、緩んでしまうのではないかと懸念している。また、従業員の心、精神面も気にかけている。『ステイホーム』と外出自粛が求められていたなか、とくに単身者で、狭い部屋に閉じこもりがちになっている社員には濃厚接触に気をつけながら散歩しなさいなどと伝えている」

 「世間ではゴールデンウイーク明け以降、弛緩し始めており、当社も必死に取り組んできた反動が生じて対応が甘くならないよう気をつけたい。行政からの要請や当社で決めたルールは大切だが、がんじがらめになり、思考停止に陥ってはいけない。自ら考えて行動することも必要だ。公的機関が濃厚接触を定義するなどしており、科学的根拠に基づき、打てる手はすべて打ち、可能な限り感染リスクを低下させたうえで事業活動を継続していく」

◆…収束時期の見通しは。続きはこちら

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