三菱ケミカルは１２日、新型コロナウイルスの感染拡大で不足している医療用ガウンおよびフェースシールドの供給体制を整えたと発表した。医療用ガウンはポリエチレン（ＰＥ）製の雨合羽を改良。フェースシールドはシート製造や折り曲げ加工の技術を生かし開発した。子会社のジェイフィルムで生産を開始し、コロナ感染拡大防止に貢献していく。
生産能力はガウンが月２万枚、フェースシールドが４０万枚。今月初旬に一部の医療機関へ寄付したほか、今月中旬からは厚生労働省や一般の医療機関に供給する。
ガウンは袖口に親指を通す穴をあけることで袖めくれを防止する機能を付与したほか、使用後にガウンを脱ぐ際の接触感染リスクを低減するため、背面にミシン目加工を施し容易に脱ぐことができる仕様にした。１枚当たり１００グラム以下とし、廃棄物削減にも配慮した。
フェースシールドは食品包装トレーに用いるポリエステルシート製造技術と、化粧品ケース加工で培った折り曲げ罫線付与技術を応用。透明性が高く、曇り防止機能も付与した。容易に切り抜き組み立てることができ、輪ゴムで簡単にサイズ調整できる。
なお、三菱ケミカルはこれら以外のコロナ対策製品として、受付・窓口・レジなどで飛沫拡散防止のため活用されるアクリル樹脂板や、液体バリア性を保ちつつ水蒸気を透過するため化学防護服の外層に使われる透湿性フィルムも供給しており、グループをあげてコロナ対策製品の供給体制を万全にしていく方針。
