三菱マテリアルは、銅合金の新型コロナウイルスの不活化を実証した。独自開発した耐変色と除菌機能を有する銅合金「クリーンブライト(銅54%、ニッケル11%、亜鉛35%)」を使用した試験を奈良県立医科大学で実施し、10分以内に99・999%以上のウイルス減少率を確認した。

 試験はISO21702に準拠した方法で行った。板厚0・7ミリメートルのクリーンブライトに新型コロナウイルスを接種し、4センチメートル角のフィルムで被覆。10分、15分、30分の作用時間後、PBSを用いてウイルスを回収、ウイルス感染価(PFU/ミリリットル)をプラーク法で算出した。サンプル当たり1・05×10の6乗PFUのウイルスをクリーンブライトに接触させた場合、10分で検出限界である減少率99・999%以下という感染価となった。

 クリーンブライトは、銅特有の除菌性、抗ウイルス性と変色による色むらが発生しにくい合金。高強度と加工性も備える。消費者の衛生意識の高まりを背景にトレーやドアノブ、手すりなど、抗菌性を要求される用途で採用が広がっている。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

ライフイノベーションの最新記事もっと見る