中央社会保険医療協議会(中医協)は10日開催の総会で、新薬7成分9品目の薬価収載を決めた。18日に収載予定。米メルク日本法人のMSDの新型コロナウイルス感染症治療薬「ラゲブリオ」(一般名・モルヌピラビル)も収載する。比較薬とされたギリアド・サイエンシズの注射剤「ベクルリー」(一般名・レムデシビル)に対し、飲み薬で利便性が高いことや、標準的治療になると考えられることから有用性加算10%を適用した。ピーク時販売額は初年度に138億円で、15万人への投与を想定している。

 ラゲブリオは米メルクが開発した経口薬。日本では2021年末に厚生労働省が特例承認し、これまで政府の助成の下、新型コロナウイルス感染症の治療に使用されてきた。安定供給体制のめどが立ったことから、MSDが薬価収載の申請を行ったという。時期は未定だが、今後、市場流通に切り替わるとみられる。現在は新型コロナウイルス感染症の治療薬剤費は公費負担となっているが、薬価収載後の取り扱いについては明らかにしていない。

 ラゲブリオの他にピーク時予測販売額が100億円を超えるのは、バイオマリンファーマシューティカルジャパンの注射剤「ボックスゾゴ」だ。5年度目に232億円の大きな市場規模を見込む。骨端線閉鎖をともなわない軟骨無形成症治療のペプチド医薬。新規の作用機序で臨床上の有効性が認められた希少疾病用医薬品として、有用性加算5%と市場性加算10%を適用した。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

セミナーイベント情報はこちら

ライフイノベーションの最新記事もっと見る