【上海=石田亮】中国では現在も新型コロナウイルスの感染拡大によって、上海をはじめ数十カ所の都市、約3000万人の生活に影響が出ている。4月20日時点で全国100カ所以上の高速道路の料金所、46のサービスエリアが封鎖されている。さらに1台当たりの運賃も最高で60%ほどまで上がったという。上海の化学メーカーは徐々に生産再開に向けて動いている。しかし、物流面での問題が解決しない限り、サプライチェーンの正常化は遠く、一刻も早い回復が待たれる。

 感染の拡大を防ぐために、高速道路の出入り口で制限・封鎖が繰り返され、物流や輸送が困難となっている。交通部によると、今月20日24時時点で、104カ所の高速道路の料金所が封鎖されている。同月10日と比べると574カ所が解除されており、鎮静化に向かっている。しかしながら正常化にはほど遠い状況だ。

 江蘇省は現在厳しい状況に置かれている。82カ所の料金所、27のサービスエリアが封鎖され、全国で最も出入りが難しい省と言えるだろう。省内では各市で感染拡大を食い止めるため、行動制限を実施している。

 蘇州市は今月16日0時から呉江区、呉中区、相城区、姑蘇区、蘇州工業園、虎丘区を対象に防疫管理の強化方針を発表した。在宅勤務が可能な者はすべて在宅勤務とし、必要な時以外は移動を禁じた。また必要な時以外は蘇州から出ることを禁止した。

 上海市ではいぜんとしてロックダウンが続き、物資の届かない状況が継続している。この原因の一つがトラックドライバー不足だ。ドライバーは上海に出入りすることで、自身のQRコードに行動履歴が追加される。この履歴によって他省・他の市へ出入りの際に2週間の集中隔離が必要になる場合もある。その間、ドライバーは無収入になるため、上海入りを避けるドライバーも多いという。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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