中外製薬は8日、シンガポール科学技術研究庁(ASTAR)と新型コロナウイルス感染症に関する抗体医薬品の共同研究開発を開始したと発表した。これにともない中外はシンガポールに設置している研究拠点である中外ファーマボディリサーチ(CPR)を通じて、抗体エンジニアリング技術を提供。ASTAR関連機関が見いだした候補抗体からの治療薬開発を目指す。

 ASTAR関連機関であるシンガポール免疫学ネットワークのチームが見いだした抗体が共同研究開発のターゲット。このほど契約を締結した。リード抗体は多様性の高い人工ヒト抗体ライブラリから取得した。新型コロナウイルスへの中和能を有しているといい、中外は抗体エンジニアリング技術によって最適化を図る。足元、リード抗体が取れた段階のため、具体的な時期は示せない状況だが、最速で実用化に漕ぎ着けたいとしている。

 2012年に設立したCPRを通じて、中外とASTARは協力関係を構築している。これまでデング熱に対しての共同プロジェクトを実施している。

 また、新型コロナウイルス関連では、中外は同社が創製した抗体医薬「アクテムラ」による日本での治験を5月中にも始める予定だ。

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