中外製薬は29日、新型コロナウイルス感染症に対する抗体カクテル療法の国内製造販売承認申請を行ったと発表した。海外での第3相臨床試験(P3)と、日本人を対象とした国内第1相臨床試験(P1)の成績に基づく申請で、特例承認の適用を希望した。米国では肥満や高齢といった重症化因子などを持つ軽症から中等症患者を対象に緊急使用許可(EUA)を受けている。

 同療法は、2種類のウイルス中和抗体「カシリビマブ」「イムデビマブ」を組み合わせ、患者に投与する。抗体は回復した患者から同定。新型コロナウイルスの感染や増殖などを阻止する働きを有する。

 米リジェネロン社が創製し、中外親会社のスイス・ロシュと製造・開発・販売を共同で進めている。中外はロシュを通じて、日本で開発・販売を独占的に行う権利を獲得している。

 国内では、厚生労働省が「新型コロナウイルス感染症治療薬実用化支援事業」の対象品目の1つとして抗体カクテル療法を選んでいた。また、先月には日本政府との間で薬事承認後の供給契約も結んでいる。

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