新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、一時的にだが、EC(電子商取引)サイトでの化粧品購入を促す動きが広がっている。7日に7都府県を対象に発令された緊急事態宣言により、臨時休業に入った百貨店や化粧品専門店が少なくないためだ。そうした店舗で取り扱っている高級化粧品には対面カウンセリングを重視し、ECサイトで展開していないものもあった。16日には緊急事態宣言の対象が全国に拡大したことで、ECサイトでの購入がさらに進みそうだ。

 高級化粧品メーカーのアルビオンは4月中旬から、7都府県を対象に特例措置として公式ホームページでの商品受注を開始。対面販売を基本方針に掲げ、インターネット販売を行ってこなかった同社には異例のことだ。取り扱いブランドは「アルビオン」「エレガンス」「イグニス」(美容食品は対象外)で、5月6日まで注文を受け付ける。17日には、対象をすべての地域に広げるべく「準備中」と発表した。併せて、一部の小売店の公式サイトからも注文できるようになったという。

 コーセーも今月半ば、公式サイト「メゾンコーセー」での購入をサポートする取り組みを始めた。10日からの全品送料無料(通常は税込み3300円以上で無料)と、15日からの「コスメデコルテ」や「雪肌精」「プレディア」といった取り扱いブランドの拡大だ。これらは5月10日まで実施する。

 送料無料はカネボウ化粧品子会社のエキップが展開する3つのブランドの公式オンラインショップや阪急百貨店の化粧品向け通販サイトでも期間限定で取り入れている。

 スマートフォンの普及とともに、メーカーや小売店の公式サイトでの化粧品購入環境は飛躍的に整った。ただ、なかにはアルビオンや「コスメデコルテ」のように対面販売にこだわってきたものもある。資生堂の化粧品専門店ブランド「ベネフィーク」も、同社公式サイトでは販売していない。今後、化粧品専門店の休業が広がることで販売に影響が生じた場合は「対応を検討する」(同社)としている。

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