厚生労働省医薬・生活衛生局の吉田易範医薬品審査管理課長は省内で記者会見し、製薬会社が開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンについて「あくまでもエビデンス(科学的根拠)に基づいて評価し、承認審査する」と語った。ワクチンは承認事例のない核酸ベースの開発品が先行しており、「新たなモダリティー(治療手段)なので、とくに品質を十分に確認する必要がある」と話した。

 新型コロナ薬については米製薬会社の「レムデシビル」を海外の治験成績などに基づき5月に特例承認した。吉田課長は「企業による承認申請から4日程度で承認できたのは大きな功績だ」と語った。科学的評価に基づく安全性、有効性、品質の確保と早期実用化を実現するために「評価や審査の方法を工夫し、開発の相談・助言にも最大限に対応する」と述べた。

 コロナ禍では製薬会社による治験が停滞するケースが散見されたが、吉田課長はウィズ・コロナ対応として「オンライン治験でどこまで信頼性を確保できるか調査し、ガイドラインを示したい」と語った。GMPやGCPの海外査察も一部でオンライン会議を活用し始めているという。

 クリニカル・イノベーション・ネットワーク(CIN)など特定疾患の医療情報データベースを医薬品開発に生かす疾患登録システム(患者レジストリ)の活用については「素案を策定し、現在、製薬業界の意見を聞いているところ」と語った。今年度中にも活用できるような体制を整えたいとの考えを示した。続きは本紙で

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