厚生労働省は新型コロナウイルスの治療薬や医療機器、検査薬の早期の実用化に向けて、公的な研究で一定の有効性や安全性が確認されていれば、医薬品医療機器等法が定める臨床試験(治験)成績資料を提出しなくても承認申請を認める通知を12日付で発出した。政府が5月中の承認を目指すと公言している富士フイルム富山化学の「アビガン」などの迅速審査を念頭に置いているもようだ。

 公的研究の内容については国際的な科学的、倫理的水準を満たし、信頼性が確認しうる研究であり、別途、開発企業が治験を実施していることとしている。

 治験が開始され、観察研究も進んでいるアビガンのほか、研究などが実施されている日医工の「フサン」や帝人ファーマの「オルベスコ」といった治療薬が早期の承認にいたる可能性がでてきた。

 一方で研究成果に基づき承認した医薬品を使用する場合、患者の同意が必要とした。開発企業に対しては後日、治験成績の提出を求め、治験で有効性や安全性が認められなかった場合は承認を取り消す可能性があると通知した。

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