厚生労働省は10日に開催した厚生科学審議会の部会で、新型コロナウイルスワクチンの接種・流通の枠組みを提示した。実際の接種に向けて必要な物資調達などについての考え方を説明し、今年度内にワクチン保管で求められるディープフリーザー(冷凍庫)合計1万500台を確保する考えを明らかにした。また、地域ごとに担当する医薬品卸業者を決め、流通の円滑化につなげる。

 ディープフリーザーの内訳は、マイナス75度C対応が3000台、マイナス20度C対応が7500台。納入後、人口規模に応じ、各市町村に1台以上を配置する。配送・保管で使うドライアイス、接種用の針やシリンジも国で一括で調達し、提供する。実際の流通は委託先の卸が担当する体制としていく。

 ワクチンの需給調整は、国や自治体が行い配分量を決定したうえで病院などに納入する。混乱を避けるため、地域ごとに担当卸を置き、ワクチン、針、シリンジが滞りなく供給できるようにする。同時に、ワクチン接種円滑化システム「V-SYS」も立ち上げ、状況をタイムリーに把握できる体制を敷く。

 現在、日本政府は米ファイザー、米モデルナ、英アストラゼネカの3社から合計2億9000万回分のワクチン供給を受けることで合意している。ただ、ファイザーのワクチンではマイナス75度C、モデルナのワクチンではマイナス20度Cでの保管が欠かせない。そのため、適切な流通・保管体制の構築が大きな課題に浮上している。

 併せて、原則として、接種場所は居住地とすること、各接種会場で扱うワクチンは1種類とすることなども示した。

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