塩野義製薬は17日、新型コロナウイルスワクチン「S-268019」の国内第3相臨床試験(P3)を開始したと発表した。接種後の抗体価の変化についてアストラゼネカ(AZ)製ワクチンと直接比較する。同社が計画していた承認申請前のP3プログラムですべての治験が始まった。今年度中の実用化を目指す。

 18歳以上の成人1000人を対象とする国内P3を開始した。実際の発症予防効果に代わる評価指標として、2回接種から4週間後の中和抗体価の変化量を有効性の評価ポイントにする。比較する対照薬はAZ製ワクチンのみ。塩野義によると、治験薬としての調達可能性などから同ワクチンを選んだ。抗体価を基に、AZ製を有意に上回る免疫原性があるか確認する。

 塩野義はP3として、3回目の追加接種用ワクチンとしての治験、実際の発症予防効果をプラセボと比較する海外治験も実施中。昨年から実施している国内P2/3結果も確認したうえで承認申請し、国産1番手で年度内の供給を目指している。

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