富士フイルムは、バイオ医薬品の開発・製造受託(CDMO)を手がける海外子会社のフジフイルム・ダイオシンス・バイオテクノロジーズ(FDB)が、米ノババックス(メリーランド州)が開発している新型コロナウイルス感染症のワクチン候補の原薬製造を受託したと発表した。すでにFDBの米ノースカロライナ州の拠点で原薬の製造を開始しており、今秋に計画されている第3相臨床試験(治験)に最大3万人規模の原薬を供給する。

 ノババックスは独自のナノ粒子技術を活用し、重篤な感染症に対する次世代ワクチンを開発するバイオテクノロジー企業。すでに新型コロナの遺伝子情報を基に作り出した抗原を有効成分とするワクチン候補の作製に成功しており現在、豪州で第1相治験を行っている。

 7月には米政府が新型コロナ用ワクチンの開発を目的として立ち上げた官民連携プロジェクトから16億ドル(約1700億円)の助成を獲得。その助成などを用いて1億人分のワクチンの供給を目指しているという。

 FDBは抗体医薬品やワクチンなどあらゆる種類のバイオ医薬品の生産プロセスを開発。少量から大量生産、原薬から製剤・包装までの製造受託に対応できる強みを持つ。米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が率いる世界最大の慈善基金団体などが立ち上げた新型コロナ治療推進プロジェクトからは治療薬のプロセス開発・製造を受託することが決まっている。

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