工業薬品の製造・販売を手がける島田商店は、今夏投入したコロナ感染防止に有効とされる消毒スプレーの提案で販路拡大を目指す。同社はこれまでも消毒スプレーを葬儀会社向けのOEM(相手先ブランドによる生産)受注のほか、同社関連会社である理創研を通じてネットや小売店などに販売してきた。今回、増販戦略の一環で従来品の主成分であるポリヘキサメチレンビグアナイド(PHMB)に新たに塩化ベンザルコニウムを加えた新成分処方の消毒スプレーを上市した。

 消毒スプレー販売は今年で8年目を迎える。島田商店がスイス・ロンザ社から調達したPHMBを自社工場で希釈作業から容器への充填まで請け負い、衛生コンサルティングを手掛ける理創研が販売を担う。コロナが猛威を振るった昨年は衛生意識の高まりから、多方面から注文が舞い込んだという。

 ただ、徐々にこうした特需も薄れており、今年6月から投入した新処方の消毒スプレーで販売促進を図る。同製品はすでに奈良県立医科大学の試験評価で新型コロナに対する不活化効果を立証済み。今後、従来品は順次新処方品に置き替わっていく。また、塩化ベンザルコニウムは国内供給元の医薬品グレードの原体を使用している。

 今後の販売戦略は既存の販路先にとどまらず、感染防止に一段と気を配る介護や医療施設のほか、スポーツ施設などでの採用に向けても発信を強めていく。

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