川崎重工業は20日、自動PCR検査ロボットシステムを搭載したコンテナが関西国際空港に設置されたと発表した。検体の取り込みからPCR測定までの工程を自動化しており、約80分で検査を終えられる。国際線出発旅客向けに同システムが採用されるのは国内で初めて。今年8月の運用開始を予定している。海外への渡航に必要な陰性証明の即時発行などの用途で役立ててもらう。

 関西国際空港4階の出発ターミナル入り口に据え付けた。40フィートコンテナ(長さ約12・2メートル、幅約2・5メートル、高さ約2・9メートル)内に設置している各種ロボットを活用し、検体の受け入れから開栓・分注、核酸抽出、試薬調製、PCR測定までを自動で実施できる。検査方法にはリアルタイムRT-PCRを取り入れている。

 一度に8検体処理することが可能で、約80分で陽性か陰性かが分かる。2分30秒間隔で検体を投入でき、連続的な検査が可能。1日16時間稼働させた場合、2500検体検査できる。医療従事者は検体を採取し同システムに投入するだけですみ、作業負担や感染リスクを減らせる。

 同システムはシスメックス、メディカロイドと共同開発。藤田医科大学(愛知県豊明市)との共同研究で有効性を確認し、今年1月に同大学の敷地内に設置し運用している。川崎重工では関空での利用を契機に、ほかの空港やイベント会場などPCR検査の需要がある場所に設置を働きかけていく。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

ライフイノベーションの最新記事もっと見る