日華化学は、繊維加工向け抗菌防臭剤「ニッカノン」を加工した繊維素材が新型コロナウイルスに対する高い抗ウイルス効果を日本と欧州の公的研究機関で確認した。ニッカノンは1984年の上市以来、繊維加工用の抗菌や防臭用途へ販売してきた。昨年4月、同ウイルスと同じエンベロープタイプウイルスへの抗ウイルス効果を確認しウイルス対策用途向けにタオルやパーティションなど繊維や広範な加工製品分野へ供給してきた。今回、改めて新型コロナへの効果立証が得られ国内外での展開に一段と力を入れる。

 ニッカノンを加工した繊維素材に対する試験は日本繊維製品品質技術センターとフランスの研究機関で行った。方法はISO18184の繊維製品抗ウイルス性試験で、ポリエステル100%の織物と不織布にニッカノンを加工した素材で実施。織物はウイルス減少率99・9%以上、不織布は同99・8%以上の抗ウイルス効果を確認。いずれも試験開始から2時間後で大幅な減少が確認され、国内外でさまざまな抗ウイルス加工製品があるなか2時間という短時間の効果はトップクラスという。

 さらに、繊維製品のみならず樹脂成型品や木材、合成皮革、フイルムほかの表面処理剤への配合で素材表面への抗ウイルス機能を付与できる事も確認しており、繊維分野に加え樹脂やフイルム、塗料ほか広い用途へ拡大展開を進める考えだ。

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新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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