政府は2日、新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取り組みを踏まえた次の感染症危機に備えるための具体策を発表した。感染症対応の司令塔機能を担う「内閣感染症危機管理統括庁(仮称)」を2023年度中に設置し、総合的な調整を平時・有事一括して行う体制を構築する。また、連携する組織として厚生労働省内健康局に「感染症対策部(仮称)」を24年度以降に設置し、感染症危機へ備える企画立案や感染症法などに関する業務を行う。

 平時から、統括庁を中心に感染症に備えた訓練、普及啓発、各省庁の準備状況のチェックを行い、万全を期す。緊急時には、統括庁が初動を一元的に担うことで、円滑に対応できるようにする。また、各府省庁の幹部職員を兼務させるなど、人材を最大限活用できる体制も敷く。

 厚労省の組織の見直しも進める。国立感染症研究所(感染研)と国立国際医療研究センター(NCGM)を統合し、感染症に関する高度な機能を持った専門家組織を25年度以降に創設する。さらに感染症対応へ集中できるよう、食品衛生基準行政を消費者庁へ、水道整備・管理行政を国土交通省などに移管する。「必要な法案を次期通常国会に提出する」(加藤勝信厚労相)。

 感染症対策物資の確保強化についても明記した。医薬品や医療機器を確保するため、緊急時に国から事業者への生産要請・指示を行うほか、平時から事業状況の報告を求めることができる枠組みを整備していく。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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