新型コロナウイルスに意図的に感染させて、ワクチンなどの効果を検証する「ヒトチャレンジ試験」が世界で初めて始まる。通常の臨床試験より大幅に少ない症例数で、短期間で有効性データを取得できるものの、倫理上の問題から実現は難しいとされてきた。英国政府がこのほど治験実施を許可し、月内にも開始する見込み。若年層の90人に暴露させ、各社のワクチンの有効性を比較する。

 英国政府は17日、チャレンジ試験の実施に倫理承認を出した。今月中にも症例登録が始まる見通し。18~30歳の健康成人約90例を登録し、ウイルスに少しずつ暴露させ、発症にいたる最低量を見極める。第2段階では安全性を確認しているコロナワクチンを接種し、最も効果が高いワクチンを特定する。暴露するウイルスは昨年3月ごろから確認されている株。最近の変異株より感染力が弱く、若年層の重症化リスクは低いとされる。

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