鹿児島大発ベンチャーのスディックスバイオテック（鹿児島県）と澁谷工業は、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザウイルスを同時に診断できるＰＣＲ検査装置を共同開発すると発表した。地域の医療機関が設置しやすい卓上型の装置で、前処理工程から結果判定に要する時間も２０分程度と短時間に検査できる。２０２０年中に販売を開始し、数百台の販売を目指す。
唾液検体からウイルスＲＮＡを精製する前処理工程にスディックスバイオが開発した糖鎖固定化磁性金ナノ粒子法を使う。ウイルス粒子を濃縮し、少ない検体量でも高精度に検査できる。感染性のない遊離ＲＮＡは陰性と判定でき、偽陽性のリスクを減らせる。装置は１台で同時に８検体を検査できるようにし、検出時間も１５分以内を実現する。
スディックスバイオは検査薬の承認申請を近日中に提出し、１１月にも販売を始めたい考えだ。装置の製造は澁谷工業が、国内販売をスディックスバイオがそれぞれ担う。装置は低価格に抑えて発売する方針。
