キョーリン製薬ホールディングスは、4月中旬をめどに新型コロナウイルスの検出試薬を発売すると発表した。子会社の杏林製薬と産業技術総合研究所が共同で開発したPCR検査装置「GeneSoc(ジーンソック)」と組み合わせて使う。ジーンソック本体は大学病院など全国16の医療機関に導入ずみで、検体採取から結果判定まで1時間以内で行えるという。試薬発売とともに本体の量産体制を整え、配備場所も増やしていく。
 検体を目的の温度まで変化させる「サーマルサイクル」という工程を効率化することで、装置を小型化しつつ検査時間を短縮した。従来のPCR装置と比べ、一度に大量の検体を調べる場面には向かないものの、少量の検体を迅速に調べる場面に効力を発揮するという。前処理が30分弱、検査が15分弱で、これまで数時間を要していたPCR検査が迅速に行えるようになる。
 新型コロナウイルスの検出試薬を巡っては、栄研化学と臨床検査試薬などを製造販売する極東製薬工業(東京都中央区)も4月中旬に発売すると発表した。
 栄研化学は独自の遺伝子増幅技術であるLAMP法を用い、前処理した検体から35分でウイルス感染が検出できる。国内にすでに500施設ある「リアルタイム濁度測定装置LoopampEXIA(ルーパンプエクシア)」が導入されている医療機関などを中心に販売する。極東製薬工業は研究用試薬として展開を始める計画だ。

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