日医工は12日、米国立衛生研究所(NIH)が進める新型コロナウイルス感染症薬開発に向けた臨床試験に、たんぱく質分解酵素阻害剤「カモスタットメシル酸塩」が入ったと発表した。外来患者を対象としてプロジェクトに初の経口薬として組み入れられた。すでに日医工が実施中の治験と合わせ、同剤の有効性を示すことにつなげたい考えだ。

 NIH傘下の米国立アレルギー・感染症研究所がスポンサーとなって行っているプロジェクトの一環。治験で投与する4種類の治療薬一つとして追加となった。同剤は、日医工が後発医薬品(ジェネリック医薬品)として手がけている。

 慢性膵炎治療などに使う同剤は、小野薬品工業が創製した薬剤で、「フオイパン」という名称で発売している。特許は1996年に満了している。新型コロナウイルス感染症の初期段階で生じる同ウイルスの外膜と細胞膜の融合を妨げるとして、治療薬につながる可能性をドイツの研究チームが指摘している。

 そのため、昨年、日医工は米子会社を通じて、同国で第2相臨床試験(P2)を開始。小野も現在、P3に取り組んでいる。

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