キョーリン製薬ホールディングス子会社の杏林製薬は、PCR検査装置「ジーンソック」の小型品を投入する。大きさは直径約10センチ、高さ約15センチの円柱型で、簡易に持ち運べるのが特徴だ。ベッドサイドなど患者がいる場所に合わせて検査ができる。価格も従来品の298万円から、3分の1程度に抑える。1回につき1検体検査可能で、4検体検査できる従来品と並行して販売する。従来品は大学病院などが販売の中心だったが、小型品は診療所など小規模医療機関への販売も視野に入れる。

 ジーンソックは、産業技術総合研究所のマイクロ流路関連技術を用いて杏林製薬が共同開発した。主要な感染症の検査を、患者の場所に合わせて実施することを目指したPOCT向け検査装置で、2019年11月に発売している。対応する検査試薬は新型コロナウイルス検出向けを4月に発売。インフルエンザウイルス、性感染症、呼吸器感染症などの検出試薬も開発しており、早ければ今年度中の発売を目指す。

 さらに、より高精度な新型コロナウイルス検出試薬を今月発売する予定。従来品の検出感度は陽性一致率90%、陰性一致率100%だったが、新しい試薬は両方100%。前処理時間を除き、15分程で結果が判定できる。

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