東京医科歯科大学は新型コロナウイルスの流行拡大にともない不足しているフェイスシールドの自製を始めている。歯科技工用の造形機や3Dプリンターを転用。豪州の歯科向け3D造形機メーカーが無償公開している設計図を参考に製造を独自に開始した。重症患者などに対応する医療従事者が装着している。

 同大では新型コロナの重症患者を受け入れたり、集中治療室(ICU)を入院病棟に改装し、治療現場ではフェイスシールドの需要が増加している。そこで歯科患者の歯や頭蓋骨の3次元模型を製作する機械を用いてフェイスシールドを試作し、実際に利用できると判断したことから、最新鋭の3Dプリンターでも製作を始めた。

 顔全体を覆う部分はA4大の透明樹脂シートを使い、頭と装着する留め具を3Dプリンターを使って造形している。歯科分野の3Dプリンターメーカー、豪アシガ社が新型コロナの流行を受け、造形機などで製造できるフェイスシールドの設計図をウェブで無償公開。これを参考に改良も重ねて製作している。

 同大広報によると、留め具に用いる樹脂は一般造形用を用いているほか、供給が追い付かないため、歯科模型用やサージカルガイド用の樹脂を使用しているという。

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