東京医科歯科大学の研究グループは３０日、新型コロナウイルスで新たな変異を有するデルタ株の市中感染事例を確認したと発表した。アルファ株の主要変異であるＮ５０１Ｙの類似変異となるＮ５０１Ｓを有し、分子系統解析の結果、日本で新たに変異を獲得した可能性が高いとした。Ｎ５０１Ｓ変異を持つデルタ株の報告は世界で８例のみで、日本では初めてだ。
同大医学部附属病院で診察した新型コロナウイルス感染症患者の検体を分析したところ、Ｎ５０１Ｓ変異のあるデルタ株を発見した。８月中旬の患者で、海外への渡航歴がないことから、市中感染事例だと結論付けた。
研究グループは「国内で新たに変異を獲得した可能性が極めて高い」とするものの、現時点では変異発生要因の判断が難しいと指摘。さらなる性状解析と疫学調査が必要だとしている。
