東京医科歯科大学の武内寛明講師らは、同大入院患者から日本では市中感染が未確認の英国系統の新型コロナウイルス変異株を検出した。昨年11月下旬から12月下旬に入院歴のある患者由来検体から3種類を見つけた。感染性や病原性、検査法、ワクチンへの影響などに関しては現時点では判断が難しいとし、引き続き解析と調査を進めていく方針だ。

 確認した3種類の変異株は、国内流行株、感染性増加が懸念されている英国などでの変異株とは異なるタイプ。分類上は英国系統の変異株となり、英国や米国などで流行している。日本の場合、今まで空港検疫では見つかっていたが、市中感染の事例は明らかになっていなかった。

 同大のチームは、昨年7月以降、入院患者から採取した検体のゲノム解析を行っており、その中で見つかった。このうち、2人の患者は重症化している。いずれのケースも海外への渡航歴がなく、市中感染由来だと結論づけた。また、新たな変異株での市中感染事例が明らかになったことで、今後、国内流行株に影響を与える可能性があるともしている。

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