東洋紡は7日、新型コロナウイルスに対する迅速プール検査法の開発、実用化に成功したと発表した。筑波大学の鈴木広道教授が発案し、プレシジョン・システム・サイエンス(PSS)と協力。PSSの全自動核酸抽出装置と東洋紡の全自動遺伝子解析装置を連携させ、ほぼ人手を介することなく、検体(唾液)到着から結果報告までを最短約1時間で、120件程度を処理できる。

 プール法は検体を数人分混ぜてまとめてPCR検査する。今回開発した手法では、PSSの抽出装置「マグリード 12gC」と東洋紡の解析装置「ジーンキューブ モデルC」を使用する。いずれも最大12検体を同時処理、測定能力を有する。

 両社ではマグリードにジーンキューブへの互換性を持たせるプログラムを入れた専用カードを開発。カードを挿入すると、マグリードのノズル位置や分注量などがジーンキューブ向けに最適化される。

 ピペットの先端に取り付けるチップが不要となるなど作業の効率化が可能。両者を合わせた設置幅は約1メートルで、省スペースでの検査も実現した。

 カードは専用のラックアダプターと合わせて、4月中旬にPSSが販売を開始する。厚労省の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検体プール検査法の指針」に準拠した衛生研究所や検査センター向けに展開していく。

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