欧州医薬品審査庁(EMA)は、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発した新型コロナウイルスワクチンについて、重篤な血栓症に関する安全性評価を開始した。接種後に死亡例を含む異常な血栓症を発症した症例が報告され、ワクチンとの因果関係を調査する。

 3月からJ&J製ワクチンの接種が行われている米国で、血小板減少をともなう異常な血栓症を発症した重症例が4例報告された。このうち1例は臨床試験中に発症し、死亡例も1例あった。この報告を受けてEMAはワクチンとの因果関係を調べ、安全性情報の見直しが必要か判断する。欧州では3月に緊急承認され、今月中にも各国で接種が始まる予定。

 J&J製は、同様の血栓症リスクがあると認定された英アストラゼネカ(AZ)製ワクチンと同じタイプのワクチン。増殖しないアデノウイルスを使ってコロナウイルスの遺伝子を投与する。

 EMAはまた、AZ製ワクチンについて、毛細血管漏出症候群(CLS)との因果関係を調査し始めた。CLSは血管から体液が漏れて急激な血圧低下や浮腫などを引き起こす。同ワクチンの接種後に5例のCLSが報告された。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

ライフイノベーションの最新記事もっと見る