武田薬品工業は2日、骨髄異形成症候群(MDS)治療薬などとして開発中の新薬「ペボネジスタット」について、最初の第3相臨床試験(P3)で有効性の主要評価項目を達成できなかったと発表した。既存治療に上乗せ投与した場合の明確な延命効果を確認できなかった。

 MDS、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、低芽球性の急性骨髄性白血病(AML)患者を対象に行った。MDSなどの治療薬「アザシチジン」と併用投与した場合の有効性をアザシチジン単剤と比較したが、症状進行や死亡までの期間を評価する無イベント生存期間(EFS)を有意に延長する結果を得られなかった。日米欧などで実施した。

 同剤はNEDD8活性酵素を阻害するファースト・イン・クラスの新薬候補。まずMDS治療薬として来年度の承認取得を目指しているが、遅れる可能性も出てきた。米国食品医薬品局(FDA)のブレークスルー・セラピー指定や、厚生労働省の「先駆的医薬品」指定を受けている。

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