「脱炭素社会」の切り札として水素エネルギーが注目されている。水素はエネルギー効率が高く、使用時には温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)を排出しない。再生可能エネルギーやCCS(二酸化炭素回収貯留技術)を組み合わせることでCO2フリー水素も製造可能になるためだ。この水素の有望な利用先が水素を動力エネルギーとして利用する燃料電池自動車(FCV)。国も水素基本戦略のなかで2030年までにFCVを80万台普及させるという目標を掲げている。現在、FCVと並んで水素社会実現に向けた有望技術として再び脚光を集めているのが、ガソリンの代わりに水素を燃やして使う水素内燃機関(エンジン)だ。とくに継続的に高出力を必要とするパワー・ハングリーな大型トラックやバスなどの商用車での利用が期待されている。これら商用車は乗用車よりもCO2排出量が多く、内燃機関を水素化できればそれだけCO2削減効果も大きくなる。乗用車よりも多くのエネルギーを必要とし、年間走行距離も長いため、水素化できれば大きな水素需要を生み出す。そのため、FCV普及のカギを握る商用水素ステーションの整備にも貢献すると期待されている。(藤岡竜志)続きは本紙で

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