田辺三菱製薬は17日、カナダの子会社メディカゴが開発している新型コロナウイルスワクチンについて、第3相臨床試験(P3)を開始すると発表した。薬事当局から試験開始が許可された。北米など10カ国で最大3万例を登録する。今年上期中に速報結果が出て、今夏にも供給開始を目指す。同試験と並行して、最近増えている変異株に対する有効性評価も始める。

 昨秋から行っている同ワクチンのP2/3プログラムで、最終段階のP3パートへ移行する。P2パートの中間解析で良好な結果が得られたとして、カナダ、米国の薬事当局からP3開始を許可された。P2は北米で約900例組み入れて行ったが、P3は対象地域・症例数を大幅に拡大する。北米のほか英国・欧州、中南米など10カ国で最大3万例を登録する。まず18~65歳の健康成人を組み入れた後、高齢者や基礎疾患のある人も加えていく。日本が入るかは非開示。

 21日間隔で2回接種する。英グラクソ・スミスクライン(GSK)が提供するアジュバント(免疫増強剤)と併用して接種する。発症予防効果と安全性をプラセボ群と比較する。最短で4~6月期中に速報結果が出て、7~9月期の緊急使用許可申請、供給開始が可能と見ている。米国では先月、優先審査されるファスト・トラック指定を受けた。

 変異株に対する研究も始めた。開発中のワクチンが各変異に対して有効か評価する。

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