田辺三菱製薬のカナダ子会社メディカゴは、新型コロナウイルスワクチンの第2/3相臨床試験(P2/3)を近く開始する。10月中にはP2パートを始め、年内にもP3段階へ進める。最速で来年3月までの実用化も可能とみている。同社でコロナワクチン開発を担当しているブライアン・ワード・メディカル・オフィサーが9月30日、コロナワクチンに関するオンラインセミナーで明らかにした。

 メディカゴは7月中旬からカナダでP1を実施。18~55歳の健康成人180例を登録し、安全性や免疫原性、最適用量などを検証している。ワード氏によると、10月中にP1の速報結果が出ると同時に、P2/3を開始する予定。

 P2パートは500例規模の症例数を予定し、既往症がある成人や65歳以上の高齢者、5歳以上の小児も対象とする。アジュバント(免疫増強剤)を添加したワクチンとして開発を進めるが、ワード氏はアジュバントの詳細について明らかにしなかった。メディカゴは、英グラクソ・スミスクライン(GSK)、米ディナバックスから2種類のアジュバントを導入する契約を結んでいる。

 P3パートは年内にも開始する。目標症例数は3万例規模で、北米を中心とするグローバル試験として行う。中間結果は来年4~6月期に出る見込みだが、ワード氏によると最速で同1~3月期の供給開始も可能という。

 メディカゴが開発しているコロナワクチンは、植物由来のウイルス様粒子(VLP)を使ったワクチン。当面は米ノースカロライナ州の工場で主に製造し、年産10億~20億回分の供給を見込む。加ケベックでも増産に向け設備投資を行っている。

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