石油連盟の月岡隆会長(出光興産会長)は17日に定例会見を実施し、原油価格の動向や新型コロナウイルスの影響について語った。緊急事態宣言下でも国民生活の安定に不可欠な石油製品の供給のため、サプライチェーンを維持するために万全を期す方針を改めて示した。一方、現状は「外出自粛に応じて国内の石油需要は縮小するなど厳しい環境にある」と分析。今後、製油所の稼働率減少などの生産調整が進む可能性についても言及した。

 月岡会長は「製油所などで感染者が発生しても各社で操業継続のための対策を講じている。自社グループ内の他製油所からの代替供給や、他社からの製品調達などの対応を含めて安定供給は十分に可能」と述べ、供給継続のために柔軟な対応を行う姿勢を示した。石油連盟には資源エネルギー庁から直接サプライチェーン維持の要請がきており、「その要請にきちんと応えていく」と語った。

 原油価格と石油製品需要の両方が低迷するなか「これまでの原油価格の暴落局面と違い需要自体も消えている。非常に憂慮している」と懸念を示した。「次の大きな課題は製油所の稼働減。70%ぐらいの稼働率でも分解装置を含めた製油所の稼働は維持できるが、稼働がそれ以下になれば分解装置を止める必要がある。そこで各社がどのように対応するかだ。来月以降、全国の供給をはかるうえで、各社間の提携やバーター取引などさらに一歩踏み込んだ協力の必要が出てくるのではないか」と述べた。

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