第一三共は15日、新型コロナウイルス感染症治療薬として開発していた「ナファモスタット」の吸入製剤について開発を中止すると発表した。初期の臨床試験などを行ったが、安全性上の懸念があり開発を取りやめる。健康成人を対象に3月から実施していた第1相臨床試験(P1)と、イヌによる安全性評価試験の結果から安全性が不十分と判断した。

 ナファモスタットは同じ有効成分の注射剤が播種性血管内凝固症候群(DIC)などの治療薬として使われている。コロナウイルスの細胞侵入を阻止する作用があるとの研究報告を受け、第一三共がコロナ治療用に吸入剤の開発を進めていた。

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